2016年1月
ウエイトリフティングの現役日本チャンピオン・山本俊樹選手が突如パワーリフティング公式大会に参戦
この一連の出来事は後に『黒船来航』として、日本パワーリフティング界で語り継がれる事になるのでした
山本俊樹選手とは

ウエイトリフティング85kg級で、
スナッチ158
クリーン&ジャーク202
トータル360
以上3つで日本記録を保持している国内最強のウエイトリフターです
元々、驚異的なスクワットの強さでパワーリフティング界でも知られており、アイアンマン2015年6月号では、ウォーミングアップから僅か10分で283kgを成功させたと特集ページが組まれる程でした
(後にハリーはこのような瞬間を目の前で見ることになります)

エナスキンジャパンのアンバサダー就任 |
ハリー着用モデル・股関節周りのテーピング保護でブレの無いスクワットを! |
パワーリフティングに電撃参戦
2016年1月に東京のパワーハウスにて開催された、ウエストトーキョーパワーリフティング選手権大会
そこに山本俊樹選手のエントリーがありました
ハリーと同階級93kg級でのエントリーだったので、気になるハリーは現地視察に赴くのでした
超高速ウォーミングアップ
山本選手のセッションが始まりました
パワーリフティングのセッションは1グループ8-15人程度で組まれます
通常、自分のセッションが始まる前には既に最終アップを終えていますが、山本選手は未だにウォーミングアップを始めてすらいません
山本選手を見守っていたハリーですが、そこには驚きの光景が広がっていました
赤プレートを使用した70kgのスクワットを開始
そのまま立ち上がる毎に両サイドのセコンドが赤プレートを足していき、一度もラックに戻す事なく70→120→170→220とウォーミングアップを終了
僅か1分の出来事に観客は呆然
挨拶代わりのスクワット第1試技
最初は250からのスタート
ボクが見た事のある250のスクワットで最も軽く、観客もあまりのスピードに動揺を隠せません
その模様をハリーのTwitterにて動画で公開してます
以下の動画をご覧ください
山本選手、スクワット第1試技250kg
軽すぎ!!!
第2試技は日本記録越えの285kg pic.twitter.com/a6Z0Okhx8Q— ハリー (@harry072088) January 24, 2016
日本記録を上回るスクワット第2試技
軽々250を挙げ注目された第2試技は285
これは当時の日本記録を2.5kg上回る数字です
半年くらい前はアイアンマンの記事の通り、283を挙げている事が分かってましたので十分狙える数字です
軽々成功させ山本選手の勢いは止まりません
山本選手、スクワット第2試技285kg軽すぎ!!!
次は300kgヾ(@゜▽゜@)ノ pic.twitter.com/qkJ3wf28Yo— ハリー (@harry072088) January 24, 2016
300kg、そして伝説に
次の申請重量はどうなるのか観客が見守ります
するとどこからか300の声が
これには会場もスゴイ盛り上がり
そして結果は以下のリンクの通りになりました
是非動画をご覧ください
山本選手、300kgきたあああ!!!
世界記録303kgに迫る衝撃のスクワット pic.twitter.com/yX0GTPT5Ee— ハリー (@harry072088) January 24, 2016
ウエストトーキョーパワーの結果
- スクワット300(地方大会なので日本記録にはなりません)
- ベンチプレス130
- デッドリフト260
- トータル690
ハリーのジャパンクラシックパワーでのエントリー記録は702.5だったので、辛うじて上回っていましたが、明らかにこれはヤバイと感じピーキングを頑張るハリーなのでした
2016ジャパンクラシックパワー・エントリー紹介
この年のジャパンクラシックパワーは千葉県開催だったことから、関東圏の選手はアクセスし易く当然そこには山本選手のエントリーがありました
優勝争いは以下の3人で行われるという下馬評でした
- ハリー
わたくしです
エントリー記録702.5は1位
しかし、大会直前で高熱から体調を崩しコンディション不良でまともにピーキング出来てません(言い訳)

- 山本俊樹
エントリー記録690は2位
受付待ちの山本選手に声を掛けたハリー
宣戦布告を行うのでした
- 久保
ジュニア時代からのお付き合い
日本が誇るスクワッターで282.5のスクワット日本記録保持(当時)
持ち記録は国体での685で3位

スクワット
ハリーは240-250-×255とイマイチな数字
まさか255を取れないとはという心境でした
久保選手は270-280-×285.5
最後の日本記録は失敗しましたがスクワッターの力を存分に発揮しています
山本選手は285-×295-×295
ウエストトーキョーと違いエンジン全快
第1試技から日本記録になる285を成功させるも、明らかにウエストトーキョーより動きが悪いです
すると、慌ててアップ場に移動する山本選手
遠くから眺めているとなんとスクワット270でストップをしているではありませんか
後にこの行動の意図を伺いましたが、『いつもこんな感じてす!』という返答にハリーの空いた口は塞がりません
第2、第3の295は調子が悪く共に潰れ
この段階ではまだ横一線という感じでしょうか
ベンチプレス
ハリーがスクワットの失敗をカバーする180-187.5-195と3本取り
この辺りからベンチプレスのハリーというイメージが定着してきたような気もします

久保選手も155-165-170と3本取り
以前はこんなに挙げてこなかったのですが、児玉大紀選手の指導もこの時関わっていたようで、急激に記録を伸ばしてきました

山本選手も130-137.5-142.5と3本取り
ウエストトーキョーでは第3試技130でしたが、今大会では第1試技に持ってきてます
この急成長はセンスの固まりです

サブトータル
- 久保450
- ハリー445
- 山本427.5
サブトータル型の久保選手とハリーが山本選手から逃げる構図となりました
久保選手はジュニア時代からデッドリフトを苦手としており、220-240程度でフィニッシュする事が多かったです
しかし、全日本パワー83kg級日本チャンピオンの小早川選手の指導もあり、急速に伸ばしてきている印象がありました
ハリーは体調不良に加えて怪我が最も酷い時期だったので、優勝争いには厳しさを感じてました
デッドリフト第1試技
- ハリー220成功
過去最低重量からのスタート
1年前は255スタートだったので、苦しい試合展開を強いられます
トータル665

- 久保選手235成功
危なげなく成功しトータル685
久保選手との差が縮まりません
- 山本選手240成功
ハリーに被せてきてトータル667.5で暫定2位
デッドリフト第2試技
- ハリー245成功
ここで引けなければ完全に優勝争い脱落でしたが、なんとか成功
首の皮1枚繋がりトータル690で暫定1位
- 久保選手247.5成功
確実に数字を積み重ねてトータル697.5
暫定1位に
- 山本選手260成功
ここでトラブル発生
山本選手自体は危なげなく260を成功させましたが、セコンドが重量申請ミス
本来であれば最低でも262.5にしてトータル690にすれば、ハリーと同重量体重差で2位に上がります
しかし、これではトータル687.5でハリーに届かず3位
もし山本選手が第3試技を失敗でもしたら、優勝も出来ず2位にもなれず最悪な展開になってしまいます
デッドリフト第3試技
- ハリー255失敗
久保選手に被せて逆転1位になるトータル700を狙いましたが全く引けず失敗
暫定2位で終えました

- 久保選手257.5成功
更にトータルを伸ばして707.5
山本選手はトータル687.5なので体重差勝利を狙うには20㎏上乗せした280を成功させなければなりません

- 山本選手282.5成功
280で優勝出来ましたが何故か282.5のまま試技開始
ややバランスを崩しかけましたが、これを引ききりトータル710で逆転優勝


試合結果とまとめ
- 山本710
- 久保707.5
- ハリー690
ウエイトリフティングとパワーリフティングの全日本ダブル優勝の快挙となりました
これがパワーリフティング界で語られる『黒船来航』の全てです
今でもこれらの大会はパワーリフターの間で語り草になっています
山本選手は現在、2020年の東京オリンピック出場に向けてトレーニングを重ねており、その活躍が大いに期待されます。
ハリーもファンの1人として山本選手を応援し続けたいと思います
YouTube
今回の2016ジャパンクラシックパワー93㎏級の模様はYouTubeにて公開しています
是非以下のリンクよりご覧ください
2018年全日本ウエイトリフティング選手権大会
毎年おおよそ4月に開催される全日本ウエイトリフティング選手権大会
石川県金沢市での開催予定との事
神奈川県から非常に距離がありますが、ファンとしてカメラを持って取材に行く計画を立てています
大会の模様はYouTubeにアップ出来ればと思います
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